(1)具体的相談を受けて

 初めて派遣された教会でのこと。中学校まで一緒に過ごしていた友人の一人が、お姉さんを連れて私のいる教会に訪ねてきたのです。「姉がお金の問題が困っているのだが、何とか助けてやってもらえないか」と。
 
 困りました。用立てるようなお金を持ち合わせていませんでした。また、このような相談にどう対処して良いか、未熟な私は戸惑いました。
 
 ともかく「少しでもお役に立てれば〜」との思いから、持ち合わせていたある全集物の書籍を古本屋に持ち込んだのです。たいしたお金にはなりませんでした。自らの無力さを痛感し落ち込んでしまいました。
 

(2)社会活動をすべきか! 伝道師を続けるべきか?

 若き未熟な伝道師の私は、お金に困っている人に、聖書のことばしか(このときは「しか…」としか思えなかった)提供出来ない自分の無力さをつくづく味わったのでした。「もっと具体的な人助けになる働きに就くべきではなかったのか?」との問題意識・課題を背負うことになりました。
 
 しかし、この悩みがやがて時を経て、「ひとを真に生かす聖書のことば」を提供するかけがえのない働き」に専念する確信へと導かれていくことになったのでした。
(確信に至った経緯については、後に記す予定です。)